ワークショップ 第4回のまとめ

《YMSA発声・歌唱ワークショップ 第4回のまとめ》

内容は前回と同じことが沢山ありますが、注意点は全て更新しています。1、2、3日目のまとめと見比べてみてください。

■ストレッチ 15分
  ストレッチは体の隅々まで血流を良くするために重要です。怪我をなくし、パフォーマンスを上げます。ぜひ日常的に行うように心がけましょう。


 ・体ひねり
   →体の中で一番大きい部類の筋肉に刺激を与えます。ストレッチは末端ではなく中心から。
 ・肩を前で伸ばす、肩を上で伸ばす、肩を後ろに伸ばす
   →該当の筋肉が、他のどの筋肉につながっているかを意識できるといいでしょう。
 ・首を横に倒す、首を抑え斜めに倒す、首を回す
   →首は最重要ですが、そればかり意識してはいけません。

    体がポカポカしてから辿り着くようにしましょう。
 ・手を組み顎の下に置き、両肘を持ち上げる -new-
   →肩甲骨が自由になると体全体が自由になります。
 ・顎を大きく広げる
   →口は大きく開けることも、小さく開けることも必要です。

    いつでも好きなように動かせるよう、日常的にほぐしていきましょう。
 ・口を大きく広げ《口角を外側に↔︎口角を内側に》
   →顔をすっきりと見せるのにも有効な運動です。
 ・舌を口の中で回す
   →舌は非常に複雑な筋肉の集まりです。ゆっくりと丁寧に行うことで、全てを起こしましょう。
 ・横隔膜ストレッチ【最重要】
   →息を限界まで吸って、そこから(ゆっくり!)さらに3回吸おうとする
     →吸うときには使う筋肉は横隔膜です。いつでもほぐれている状態をめざしましょう。
   →息を限界まで吐いて、そこから(ゆっくり!)さらに3回吐こうとする
     →限界まで吐くときにお腹の中がキュッと持ち上がるのを感じれますか?

      無理をしないよう、いつもゆっくりとほぐしましょう。


■ブレストレーニング 15分
  →どのように正しいフォームを覚えたとしても空気の流れが変われば、フォームは動いてしまいます。呼吸を支配することは声を支配するために最も重要です。


 ・鼻息を吐く
   →喉から音がする鼻息は喉頭蓋が閉じようとしている鼻息です。その状態ではいい声が出ません。
 ・スッ・スッ・スー
   →息を吐き切れば勝手に息は入っていきます。

    頭で考えず、体がどのように反応しようとしているかを感じてみましょう。
 ・4拍、8拍、12拍で息を伸ばす
   →一定の時間で息を使い切るのが目標です。息は吐き切ることが大事です。
 ・クレッシェンド、デクレッシェンド
   →いかに淀みなく息を変化できるか、体はどのように動きたがっていますか?
 ・リップロール【最重要】
   →息は後半ほどたっぷり、と意識して初めて一定に息を出すことができます。
     →息を一定に出せると声を安定して出せます。


■脳のトレーニング 10分
 →歌で大切なことは、思考を止めないことです。
   →間違えたときにリズムを崩さずに続けられるよう訓練しましょう。
 ・隣の人と後出しじゃんけん
   →一生懸命になればなるほど反応が遅くなりませんか?
 ・三角形、四角形
 ・たたく、こする
 ・ジャンプで2拍子3拍子
 ・歌ってあっちかな
 ・歌ってグーチョキパー -new-
   →手を意識すると声が小さくなりませんか?それは意識が偏っている、ということです。
 ・ずれて文字書き -new-
   →「あーいーうーえーおー」の「い」と喋っているときに「あ」の文字、「う」のときに「い」の文字というふうに、口と手をずらします。


■発声 25分
 ・調音点の確認(中級者向け)
   →聴音点とは

    (参考: http://www.ipc.tohoku-gakuin.ac.jp/izavc/webonseigaku/WEBeigoonseigaku.html)
    →聴音点はそのまま舌の位置と考えてよい。舌が奥にある母音ほど喉に影響を与えやすいです。
     →"ng(ング)"の子音をつけて練習すると喉に影響を与えない舌の位置を覚えられます。
 ・【息の通し方の練習】リップロールで発声練習【最重要】
   →音が動いたり、高い音になっても唇の振動が止まらないように。
    →ブレーキをかけないことを心がけ、声のことを極力考えないようにします。
 ・【息の通り道の練習】"ng"の子音つけた練習(”んが”という発音で発声練習)【最重要】
   →口をしっかりと開け、顎が動かないように練習すると効果的です。
     →舌の動きを出来るだけ小さくします。そのためには上に開く意識が重要です。
 ・【脱力の練習】【最重要】
   →力の抜き方がわからないときは、わざと力を入れてみましょう。
 ・舌を出して発声練習
   →舌の奥が声の出る道を邪魔します。舌を出すことでいい状態を覚えましょう。
    →声帯がきれいにあっている(息漏れをしない)状態を目指しますが、無理に押し付けるのは厳禁!
     →声帯をコントロールする筋肉は鼻の中まで繋がっています(口蓋喉頭筋)。

      鼻の中で音を捉えましょう。

  ※喉について詳しく知るには「喉ニュース」がとても参考になります。
    →喉ニュース: http://aidavoice.exblog.jp

■歌唱 45分
 ・言葉の意味をいつでも表現することは前提ですが、独りよがりになってはいけません。消極的になってはいけませんが、周りと合わせることで、表現が何倍にも増幅されます。
 ・歌いにくいと感じるところがあれば、それを直すことこそが歌の練習です。歌いにくいまま何度も歌わず、何が問題になっているか【息の通し方】【息の通り道】【脱力】を中心に考えて行きましょう。
   →リップロールで歌ってみる

     →ハミングで歌ってみる

       →母音で歌ってみる

         →歌詞で歌ってみる

    とすると問題点がわかりやすくなります。


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【Q&A】

 

 Q6  上手に歌うために大切なことは?
  →A6  「思いやりの気持ちを持つこと」「健康でいること」です。聴いてくださる方のことを考えれば独りよがりの声にはなりません。どうしたら聴いてくださる方に思いが伝わるか、喜ぶか、いつも考えて取り組みましょう。そうすれば、自然と声が出るようになります。また、自分の考えることを実現できるためには心身ともに健康であることが何よりも大事です。


 Q7  ハミングの時の鼻息を感じにくい
  →A7  まずはハミングをせずに、鼻息だけを出してみましょう。そこから少しずつ声を出していき、鼻息がどのように出ているかをよく観察しましょう。実際にちゃんと声が出ている時の鼻息はとても弱いものになります。


【ご自宅では…】
  リップロールで息が出ていること、脱力をチェックするのが大切。それと並行して、声帯があっている状態がどういう状態か、を観察してみてください。それぞれの方のくせにもよりますが、基本的に喋っているときは声帯があっている状態です。その状態を変えずに声を出せるよう、よく観察しましょう。


【その他】
  ・演奏会には横須賀の声楽家2名(上條さん、浅山さん)が応援に加わります。当日の段取りなどは彼らの指示にしてがってください。
  ・演奏会当日は昼食のお弁当をご用意いたします。

それではワークショップ5日目もどうぞよろしくお願いいたします。