イタリアの滞在許可証・永住権申請についての特別ページ

以下の情報は2017年に永住権を取得した宮本史利の体験に基づいていますが、イタリアの法律はかなりの頻度で変わりますので、あくまでご参考までにお願いいたします。

 

また、追記・訂正すべき内容がありましたら、お手数をおかけいたしますが、YMSAまでお知らせいただければ幸いです。


滞在許可証とは

▶︎イタリアに滞在するためには、ヴィザの他に滞在許可証(Permesso di Soggiorno)が必要となります。

観光で滞在する際にも原則必要になりますが、ホテル等に滞在する場合はホテルが代行してくれているのだとか。不確実な情報なので気になる方は大使館にご確認ください

 

▶︎イタリアに入国してから8日以内に手続きをするように定められています。

※ちなみに、8日以内に手続きをしなかったからと、罰せられたケースを見たことはありません、が、気をつけておきましょう。

 

▶︎滞在許可証を申請するための書類はKITというパッケージにまとめられており、KITは各地郵便局にて無料で受け取ることができます

 

初めて滞在許可証を申請する

 

▶︎特別な事情がない限り、初めての滞在許可証申請にはヴィザ(VISTO)が必要です。ヴィザの取得につきましてはイタリア大使館のページに詳しく書いてありますのでご参照ください。

3ヶ月未満の滞在でしたらヴィザが必要ありません

※就学目的の滞在であっても観光の一環として語学学校に通うということでしたら、観光ヴィザでの滞在が認められるそうです。これは宮本が大使館から聞いた話ですが、確実を期すのでしたら大使館にお問い合わせください

観光用の滞在許可証が存在しますが、取得したという話を聞いたことがありません

 

▶︎滞在許可証の申請のために必要な書類などはKITの中にある書類に記載されています。日本語で詳しくまとめたページもありますので、そちらを参照されるといいでしょう。


滞在許可証の更新について

 

▶︎滞在許可証の更新も含めた有効期間中はヴィザの更新、再取得は必要ありません

※滞在許可証の更新期間は有効期限の2ヶ月前からです。また有効期間の2ヶ月後まで猶予期間として認められているそうです。

→期限が切れて2ヶ月以上経った後でも更新が認められたというケースもあります

 

▶︎学生用の滞在許可証の有効期間は最大1年、その後は更新が必要になります。ただし、更新できるのは、原則国立大学などの、2〜5年の課程がある学校で、同じ都市での更新に限られます。

※しかし、それらの裁量は警察署によるようです。ずいぶん前になりますが、ミラノの語学学校→パルマの音楽院と進学した友人はヴィザの再取得を命じられましたが、モデナの語学学校→パルマ音楽院と進学した友人はヴィザの再取得なしに滞在許可証の更新ができました。

学生用から労働用への書き換えについて

 

▶︎国立音楽院などの卒業資格(Laurea)を持っている方は、無条件で学生用から労働用へと切り替えることができます。書き換えのことをConversione(>動詞Convertire)といいますが、そのためには郵便局にKITをもらいに行く代わりに、県庁(Prefettura)へ行く必要があります。

※Laurea(大学卒業資格)ではなくDiploma(高校・専門学校卒業資格)でも可能だという話もあります。いずれの卒業資格も持っていない方は政府から不定期で発表されるDecreto Flussiというものを待つ必要があります。宮本はこれによって労働用滞在許可証を取得したというケースを知らないので、詳しくは移民局でお尋ねください。

 

▶︎滞在許可証の更新とは違いますので、期限の2ヶ月前という更新期間は関係なく、有効期間内でしたらいつでも書き換え手続きができます。逆にいうと、有効期間後2ヶ月の猶予期間もありませんので、余裕を持って行動することをお勧めします。

 

▶︎県庁の所在地、労働の種類によって申し込みに必要な書類は変わるそうですので、詳しくは県庁の職員にお尋ねください。

※宮本は弁護士や無料相談所にも相談に行きましたがそれらの情報は全て間違っていました

 

▶︎参考までに2011年に宮本が自営業(Lavoro Autonomo)への書き換えのために行った手続きは以下の流れになります。

①県庁に行き移民局のサイトを教えてもらう

※宮本はZ2(自営業用?)というフォーマットに記入しました。

②移民局のサイトで全ての情報を記入する

③税務番号(Partita Iva)を取得

※税務署(Agenzia dell'entrata)で簡単に開くことができます、が義務では無いようです

④県庁からの連絡(郵送)を待つ

⑤県庁からの連絡に書いてある呼び出し日に、そこに書いてある必要書類を持って行く

※身分証のコピーなどの他に特別に必要だったのは、卒業成績証明書のコピー税務番号(Partita Iva)のコピーイタリアの口座の残高証明(日本のものでは不可)、あたりです。

⑥県庁にKITを準備してもらい、郵便局で提出

 

▶︎CGILという労働組合にも代行サービスがあるそうです。宮本の友人が何人かそちらで手続きをしており、年会費がいくらかかかりますが、条件さえ満たして入ればとても簡単に手続きができるそうですので、ご参考までに。


労働用滞在許可証から永住権への切り替えについて

 

▶︎永住権(Permesso di soggiorno lungo periodo)への切り替えの要件は以下の通りです。

①合法的に5年以上イタリアに滞在していること

②有効期間内の滞在許可証を持っていること

③十分な収入があること(2017年は5.824,91ユーロ以上)

④A2以上の語学能力があること

※Lungo periodo(長期)とありますが、有効期限のない滞在許可証のことで、以前はCarta di soggiornoという名前だったものです。写真の更新のために10年を目安に警察署に行く必要があるそうですが、その際に面倒な書類の提出などはないそうです。

 

▶︎永住権申請に必要な書類は、概ね通常の滞在許可証の更新申請と同様ですが、以下の通りです。

①KITの中にある申請書(Modello1,2の両方が必要です)

※書類の記入方法はこちらのサイトが日本語で詳しいです。

②パスポートの全ページのコピー

③有効期間内の滞在許可証のコピー

無犯罪証明書(certificato del casellario giudiziale)

裁判中ではないという証明書(certificato dei carichi pendenti)

※④⑤はいずれも検事局に申請することになりますが、完成までに2週間程度の時間がかかることと、⑤は住民票を登録している地域の検事局でしか申請できませんので注意が必要です。

⑥住居証明 

※宮本はイタリア人の友人に証明書を作成してもらい、それを提出しました。

⑦収入の証明 

※給与明細などですが、自営業の場合は確定申告の書類(Dichiarazione dei Redditi / F24様式)が必要になります。

⑧A2以上の語学能力の証明書

※宮本は音楽院の語学成績を含む卒業証明で認められました。

滞在許可証申請において役に立つサイトなど

 

▶︎滞在許可証の進捗状況はイタリア移民局のサイトから確認できます。

リンク先の画面右端にある"Area Riservata Stranieri"と書いてあるアイコンをクリックすると、ユーザーネーム(Nome Utente)パスワードを要求されます。それらは、郵便局でKITを提出した時に受け取るRIcevuta(半券)に記載されていますが、ハイフン"-"を抜かした、数字のみを入力する必要があります。

 

▶︎前述いたしましたが、永住権取得の際の書類の書き方などはこちらのページが詳しいです。